『「学問のすすめ」より「演説の法を勧るの説」』
『「学問のすすめ」より「演説の法を勧るの説」』
あの有名な福沢諭吉の学問のすすめという本をパラパラと見て
いると第十二編に「演説の法を勧むるの説」という話を見つけま
した。これは岩波文庫の題名ですが、致知出版社より出ている
「全文をとことん読みやすくしました。148分で読めます」という
シリーズの「学問のすすめ」によれば、「演説の技術を勧めます」
という題名になります。
今、私は毎週YouTubeの収録し、社員さんに編集をしてもらい
動画をアップしていますが、滑舌は良くなく、口も余り開かず、
話し方をどうにかして上手くなりたいと思っていたこところに、
神様が救いの手を差し伸べてくれたのではないかと思い、この
第十二編を読んでみました。平成25年3月に読んだ記録があります
が、ほとんど記憶には残っていませんでした。
そこで、今日は福沢諭吉大先生(以下、福沢さん)のこの「演説
の技術」について読み直し、その内容をまとめて、自分の話し方、
演説の仕方の向上に活かしていこうと考えています。
この第十二編は、岩波の本は、文語文で2節からなり、致知の
口語文の本は、8節に分けられ、それぞれの見出しがあります。
分かりやすい、致知の口語文の本で読み返し、その見出しの題名
を上げながら進めていきます。
ちなみにこの「学問のすすめ」は、明治5年から9年にかけて
第十七編まで順次書かれ出版されたもので、その内容は、少し古い
ものもあることを前置きしておきます。
◇1.声に出して語るところに味がある。
演説とは英語で「スピーチ」といいます。大勢の人の前で話を
して、自分の思っていることを人に伝える方法です。わが国では、
昔からそんな手法があるとは聞きませんが、寺院の説法なんかは
おそらくこの類でしょう。とあります。
今でこそ、「スピーチ」という言葉も、人前で話すことも我が
国でも当たり前になってきましたが、アメリカと比べると、
我が国では、「演説」「スピーチ」の重要性が語られ、大切な
教えとして当たりまに指導を受けるということを、私はあまり
知りません。
アメリカでは、如何に自分の思いを人に伝えるかということに
非常に重きが置かれており、多くの人が「演説」「スピーチ」の
技術を高める為に、小さい頃から学校で学び、または、教室に
通い学んでいます。アメリカでは、プレゼンテーション能力が
大きな人物評価にもつながっていることを改めてここで認識し
直したいと思います。
思い浮かべてください。アメリカの大統領や政治家の演説を!
そして、日本の政治家の多くの演説を。
我が国の国会では、ただ文章を読み上げるだけの政治家が如何
に多いかです。これは、演説の技術がどうのこうのという前に、
日本の政治家の精神的、能力的、情熱的レベルが低すぎるので
はないかと強く感じます。
◇2.学問の要は「活用」にあり。
「学問はただ本を読むことだけではない」ということであり、
学問の要は「活用」の一点につきます。活用なき学問は無学に
等しいのです。
要するに、学問の本質は読書だけにあるのではなく、精神の
働きにあるのです。
この働きを活用して実際に使うにはさまざまな工夫が必要です。
「オブザベーション(obserbation)」とは事実や物質を観察する
ことで、「リーゾニング(reasoning)」とは、物事の筋道を推察
して、自分の説を作ることです。
このように難しい話が続きますが結局は、その視察や推察、読書
によって知見を集め、談話によって知識を交換し、著作や演説に
よって、知見を普及させるとことが学問の本質であると、福沢さん
は説かれています。
◇3.国民の見識を高める。
人間のやる事は、インプットとアウトプットの両面があって、
両方とも勉強しなければならないのです。ところが、今の学者は、
インプットばかりでアウトプットができないものが多い。こういう
ことを思わざるを得ません。
この話は非常に大切なことだと思います。何事も本を読んだり、
視察に行ったり、人様から話を聞いて勉強する時は、必ず、イン
プットする前に、アウトプットすることを念頭に行わねばならな
いと、私は思っています。これは「アウトプット勉強法」と名付
けられており、まだご存知のなかった方は、特に参考にして頂き
たい勉強法です。
◇4.理解と実践とは別物である。
万巻(まんがん)の書を読み、天下の人と交流しておきながら、
何一つとして自分の考えがない者がいます。
目は経済学の本を見ているのに、一家の家計を営むことができ
ない。口が修身論を唱えているのに、自分自身の徳を収めること
ができない。
物事の正しさを理解する心と、その正しいことを実際に行う心
は、全く別物である。「医者の不養生」や「『論語』読みの
『論語』知らず」といった諺があるようにです。
特に自分に言い聞かせなければならない事が、この4節目の
教えにあると思います。ちょっと知ったことを、如何にも自分は
よくよく理解をして、実践できているかのごとく勘違いをしてし
まっては、逆に自分を落しめるだけで、何の為に勉強しているの
かが分からなくなってしまいます。
◇5.どうすれば見識が高まるか。
それは「物事の有り様を比較して、上を目指し、決して自分に
満足しない」と言う一点につきます。
幅広く古今の人物を調べて、その人物と比較して、同じ位の
功績を上げているならこれに満足しても良いでしょう。ここで
大事なのは、必ず一流の人物を目指すことです。
この第十二編の「演説の技術」を高めるという福沢さんの教えは
これくらいになります。これらの教えは、演説の単なるテクニック
を教えるものではなく、如何に学び、それを自分のものとし、演説
により、この世に伝えていくことの大切さを説いておられる事が
分かります。
この第十二編の残りの後の3つの節は次の様な題名になります。
◇6。学校の評価は学問に限るべき。
◇7。国の評価は他国との比較で決まる。
◇8。インドとトルコの国力が衰えた理由。
「スピーチ」という言葉を聞いて思い出すのが、デール・カー
ネギーという啓蒙家です。彼の著書「人を動かす」「道は開ける」
は、大ベストセラーですので読まれた方も多いかと思います。
そのデール・カーネギーに教えを受けてアメリカの第一の成功者
となり富豪となったのが、フランク・ベトガーです。
ベトガーの著書は「私はどうして販売外交に成功したか」であり
この本も大ベストセラーなのでご存知かと思います。
私は本棚からこの本をなんとか探し出し、埃をはたいて久しぶり
にページを開いて見ました。
ベトカーは、幼少の頃に父親を亡くし、本当に貧しい家庭で育ち
ます。子供の頃には、一食の食事にも事欠く状態でした。しかし、
彼はプロ野球選手となり2年間活躍します。しかし、怪我をして
野球を断念せざるを得なくなり、それから、売れない営業マン人生
が始まります。ある時、デール・カーネギーの話し方教室に入会
します。
その教室である晩に、ベトカーがスピーチをしている最中に、。
カーネギー先生から質問を受けます。
「ベトカー君、ちょっと待ちたまえ。君は今自分で喋っていること
に君自身興味を感じるかね?」
もちろん興味を持っているとベトカーは答えましたが、
カーネギーは、さらにベトカーに質問をします。
「そう、それじゃなぜもっと熱のこもった話し方をしないんだ。
君のしゃべっていることに、君自身が生気と活気を持たなくちゃ、
どうして聞いている人に興味を感じさせると思うかね」
と言って、カーネギーは、ベトカーの前で熱のこもったスポーチ
を始めます。そして、カーネギーはスピーチをしている間に興奮
してしまい、側の椅子を振り上げて、壁にたたきつけて、椅子の
足が一本折れて飛び散りました。
ベトカーは、この時、情熱の持つ迫力、大切さ、己を鼓舞し、
人を動かす偉大な力があることを再認識します。
この夜からベトカーは生まれ変わった様に、情熱をもやし、
保険外交員としての大成功への道へと進み出すのです。
今日は、福沢諭吉の「学問のすすめ」第十二編の「演説の技術
を勧めます」の話から、デール・カーネギーとフランク・ベトカー
の情熱の話へと思いつくまま進んできました。
本日のまとめとして、技術を磨くことの大切さと、それ以上に、
人間が生きる上で、どれほど情熱が大切であるか、そして、自分
自身を動かすのも「熱い熱い情熱である!」ということを、
強く強く心に刻み込むことが出来ました。
今日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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