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2020年8月31日 (月)

『「仏の手」は、無限大の深い世界のこと 鈴木大拙の教え』

 『「仏の手」は、無限大の深い世界のこと 鈴木大拙の教え』

 

  前回のこのブログでは人間学を学ぶ月刊紙8月号の対談『人間・

 鈴木大拙を語る』のお話を紹介致しました。

 その中で、大拙先生が八十歳から亡くなるまでの15年間を、十五歳

 の時から傍にいて、大拙先生の活動を支え続けた岡村美穂子さんの

 お話を紹介しました。その中で、十五歳で悩み苦しんでいた岡村

 さん掌を大拙先生がさすって「よく見てごらん。仏の手だぞ。」と

 言われました。

 

  その意味が分からず一晩寝られずに次の日に何故かと大拙先生に

 聞きに行きます。結局はこの「仏の手」は、無限大の深い世界の

 ことを表現されていたと気づくまで、随分と長い時間が掛かかった

 と岡村さんは述懐されていました。

 

  その話と関連させて、本日は同じく人間学を学ぶ月刊紙致知8月

 号の連載第26回「生命科学社からのメッセージ」の『遺伝子をON

 にして難局を乗り切ろう』という筑波大学名誉教授村上和雄先生の

 お話を紹介致します。

 

  村上先生はかつて「宇宙・生命・宗教に関するシンポジウム」で

 アポロ九号の乗組員だったラッセル・シュワイカート氏と会い、

 その時に聞いた話を紹介されています。

 

  シュワイカート氏は、アポロ9号で月着陸船操縦士として、

 1969年3月に241時間の飛行をされました。

 宇宙から地球を見ると、真っ暗な天空の中に地球だけが明るく青く

 存在していて、そのコントラストがとても美しいのだそうです。

 

  シュワイカート氏が初めて宇宙空間に出た時、彼の姿を撮影する

 カメラが故障しました。船長から「修理できると思うから、五分

 ほど待ってくれ」と言われ、宇宙空間で何もすることがない時間を

 過ごす羽目になったといいます。

 

  地上との交信も途絶えた、宇宙での完全な静寂。宇宙服で漂い

 ながら、眼下に輝く青い地球を、ただ眺めていたその時、突然、

 何の前触れもなく「地球は生きている」と言う思いが、激しく

 こみ上げてきたのだそうです。

 

 「今、こうして宇宙のここにいるのは、私であって私ではない。

  すべての地球の生命としての我々であり、いま生きている生命

  だけではなく、かつて生まれては死んでいったすべての生命、

  そしてこれから生まれて来るすべての生命を含んだ我々なのだ」

 

  と彼は後に語っておられたそうです。さらに、その偉大な生命の

 輪の繋がりに連なっている自分が「見えた」のだとも。

 

  これは、正に宇宙空間の静寂の中という奇跡的な空間が導いた

 悟りの境地に達した瞬間であるのだと思います。

 

  そうした体験を、シュワライカート氏は、

 「自分の生命に改めて恋をした」と言う言葉で教えてくれました。

 

    素晴らしいお話で、自分がシュワイカート氏になりきって、

 シュワイカート氏の話の世界に入り込んで美しく青い地球を見て

 いる自分がいます。

 

  このシュワイカート氏の話は、最初に紹介した岡村さんの話、

 結局はこの「仏の手」は、無限大の深い世界のことということに

 なるのではないかと私は思います。

 

  村上先生はいろいろな角度からものを見て分析されるから面白い。

 今世界の多くの国が苦しんでいる武漢コロナ禍についての村上先生

 のお話です。

 

  このコロナ禍は、人類の潜在能力を目覚めさせる可能性もありま

 す。地球規模で見ると、人間が様々な活動をやめたおかげで、大気

 汚染物質が減って空気が綺麗になったといいます。

 これはこのウィルスが地球環境を守った、と言えるかもしれません。

 

  従来のような、ただヒトの欲望を満足させ、他人よりも快適な

 生活を追求するのではなく、「精神的な満足」を与える商品やサー

 ビスの開発や、自然と調和する経済活動といったことも可能なはず

 です。そして、サスティナブル(持続可能)ということをあらゆる

 活動の指針にすることも大切なことではないでしょうか。

 

  村上先生は訴えるように言われています。

 シュワイカート氏の次の言葉をぜひ思い出してほしいのです。

 

 「宇宙空間から眺めると、地球は美しいだけでなく「生きている」

  と感じられた。そして自分の生命は、地球とつながっていると

  感じた。地球に生かされていると思った。それは言葉では言い

  尽くせないほどの感動的な一瞬だった」

  

  地球は私たちの生命を誕生させ、守ってくれる唯一の惑星なの

 です。シュワイカート氏が感じたように、このたった一つしかない

 地球で生まれ、たった一つの命を与えられ、奇跡的な確率で生きて

 いることをもっと素直に喜び合えるはずです。

 

 本日のブログはここまでとさせて頂きます。

 最後までお読み頂きありがとうございます。

 

 

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2020年8月24日 (月)

『人間・鈴木大拙を語る 致知8月号より』

『人間・鈴木大拙を語る 致知8月号より』

 

  我社では、会社の大切な取り組みとして、人間学を学ぶ月刊誌

 「致知」を読み感想文を書き、発表し合い、その感想文の発表に

 肯定的感想を述べ合うという「木鶏クラブ」を開催してします。

 

  今月8月で第159回目となり8月21日に開催しました。

 今は、武漢コロナの蔓延でリモートWEB方式で、多数の部署とネット

 を繋いで開催しています。

 

  8月の致知の特集は「鈴木大拙に学ぶ人間学」です。

 鈴木大拙先生は、明治3年に金沢市に生まれ、明治30年27歳の時に

 米国に渡り、禅を広められた偉大な哲人です。日本国内より特に

 海外で非常に著名な方です。

 

  花園大学元学長の西村惠信氏と大谷大学元講師の岡村美恵子さん

 の対談『人間・鈴木大拙を語る』の感想文を私は書き発表させて

 頂きました。

 

  岡村さんは、ご両親と共にアメリカに住んでおられた十五歳の時

 に大拙先生が昭和24年にアメリカに2度目に渡られてまだ間のない

 頃にコロンビア大学の大拙先生の公開講演会に参加して初め

 て遭われ、それから大拙先生がお亡くなりになる15年間傍にいて、

 その活動を支えられた方です。

 

 以下、私の対談の感想文です。

 

  私はこのお二人の対談を読む前から、岡村さんの強烈な笑顔の写真

 を見て、素敵な方で、しかもゴッツイおばちゃんだなと思いました。

 そして、とても好きになりました。

 

  岡村さんが紹介されている大拙先生の禅の教え「即今」は、「一瞬

 一瞬が新たなりで過去も未来も全てがこの一瞬の中にある」とありま

 す。その教え通り、今の自分の年齢など何も気にしない。だから岡村

 さんは、自己紹介の欄に、昭和十年生まれを隠さず記されているの

 だと思います。珍しい女性です。

 

  8月号の致知は、鈴木大拙先生の生誕150年を記念して「鈴木大拙」

 をテーマしていますが、岡村さんは、150年などという数字は意味がな

 い、何故ならば、岡村さんにとって鈴木大拙先生は、今も、ここに生き

 ていらっしゃると言われています。

 

  これは、本当に正直に、そう思われているのだなと実感出来ます。

 岡村さんは、女性の喋り方をされていますが、岡村さんと大拙先生は

 一心同体であり、岡村さんの言葉は、多分、大拙先生の言葉でもある

 と強く感じています。その事を岡村さんは、「先生はいまも全く違う

 次元で私の傍にいて見守ってくださっている。そんないきいきした

 気持ちをいつもいただきながら、毎日を生きているんです。」と言わ

 れています。

 

  岡村さんが大拙先生と会われた当時、岡村さんのご両親が喧嘩ばか

 りしているなど彼女は悩んでいたそうです。そんな岡村さんの掌を

 大拙先生はさすって「よく見てごらん。仏の手だぞ。」と言われます。

 

  その意味が分からず一晩寝られずに次の日に何故かと大拙先生に

 聞きに行きます。結局はこの「仏の手」は、無限大の深い世界のこと

 を表現されていたと気づくまで、随分と長い時間が掛かりましたと

 岡村さんが言われています。

 

  ただこの対談の中で大拙先生は、自分の手を宙で舞わせて「美恵子

 さん、これあんたが動かしているのか?」という質問されます。

 その質問に岡村さんは「私が先生の手を動かすわけがありません。

 自分の手も自分でいちいち意識して動かしているいるわけじゃありま

 せん。」と答えます。

 

  そしたらまた大拙先生は、「じゃあ、あんたのお母さんが動かして

 いるのか?」「あんたのお母さんのお母さんが動かしているのか?」

 と問われたことに、この宇宙は全て繋がっているという事を言われて

 いるのでなないかと私も思いました。

 

  この感想文の最初に大拙先生の言葉「即今」をあげましたが、この

 対談で、私として心に強く残る言葉をもう2つここに上げさせてもら

 います。

 

  チャップリンの言葉「人生を内から見ると悲劇だが、外から見れば

 喜劇だ」。この言葉がとても面白く苦境に陥った時に励みになります

 が、大拙先生は「その通りだ。」と言ってから間を置いて「そういえ

 ば、キリスト教には笑いがないな」と言われている。そのことに、

 強い関心を覚えました。

 

  そして、3つ目の言葉は、至道無難禅師の「生きながら死人となりて

 なり果てて、思いのままにするわざよし」

 この言葉に対する岡村さんの解説が「まずいっぺん意識として自分と

 いうものを捨てないと本当の自由は手に入らない。 だから自由は外

 から持ってくるものではなく自らに由るものだ。」よくよく噛みしめ

 たい言葉です。

 

  纏めてとして、米中戦争が勃発しそうな情勢であり、各国が自国

 ファーストを突き進もうとする世界情勢の中で最後に鈴木大拙先生と

 いう方とはこんな人であるという岡村さんの言葉を掲げて締めくくり

 ます。

 

 『大拙先生という方を改めて見つめてみると、大乗仏教で言う

  大悲大慈を最後まで求め続けた方と言えると思います。

  世界の国々が自由で安らいだ国であることをいつも願っておいでで

  した。そのために国家と国家というような相対的な価値観を超えた

  次元に人々を導いていかれたんです。』

 

 世界が鈴木大拙先生が強く願っておられた大悲大慈の世界になる事

 を私も強く祈りながら本日のブログを終わりとします。

 ありがとうございます。

 

 最後までお読み頂きありがとうございます。

 

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